不動産コンサルと業際問題

私のようなコンサルタントやFP、その他士業の方々が業務を受託し、十分留意しなければならないことの一つに、業務に関わる関連法規がある。

特に昨今では、士業全体の人数が増加し続けているにもかかわらず、需要自体が減少しているため、特に他の士業との間での足の引っ張り合いみたいなこと(悪い言い方だが)が多く起きるようになった。

最近では司法書士が非弁活動を行なったとして弁護士法に違反し逮捕された例がある。これは全国初らしい。 

確かにこの事件に関しては司法書士法の枠を超えてしまったことは明らかなようであるが、そもそもそれぞれの士業の職域については、法令で規定はされているものの、解釈上の問題からグレーな部分が多く存在する。

よって、我々コンサルタントや士業に携わる者は、これはもしかしたら他士業の職域にかかるかもしれない…というアンテナを常に張っておく必要がある。 

私は相続案件も扱うことから、時にお客様から「相続税の納税が必要になるのかどうか心配だから、財産評価額の概算を出して欲しい。相続財産はこの土地建物だけだ。」と言われることがある

このようなご依頼は、不動産の知識を売りにしている私にとって、当該依頼を受任し相続税法第22条が依拠する財産評価基本通達に基づく不動産の評価額を算出することぐらいは容易なことであり、顧客の切なる希望なら応えてあげたい気持ちになるのは当然、これぞ私だけで完結できる職務であると… 

しかし、ここが思慮深さを要するところである。このような依頼を何の疑いもせずに受託してしまうと税理士法第2条に抵触する可能性が非常に高いのである。

「個別具体的な納税に係る相談等」については、いくら不動産だけとはいえ、概算でも提示できない。

だから個人から納税の問題で評価依頼が来たときは、当該お客様の顧問税理士か、いなければ当所の提携税理士へまずはご案内することとしている(少なくともコンサルタントは敷居を低く保ち、第一の相談窓口としての役割はある。そこで専門家を案内することについては報酬を得られないにしても我々の役目であると自身は認識している。)。 

では、コンサルタントは単なるボランティアか…と感じるかもしれないが、逆に税理士を通じて「当該不動産に係る時価を財産評価基本通達に基づき算出してくれ」と言われれば、税理士法に抵触する可能性は極めて低くなる。

それは、税理士そのものからの依頼だから問題ないというのではなく、「個別具体的な納税に係る相談等」を受託していないからである。あくまで「財産評価基本通達に基づく時価」を出すことの依頼であれば、税理士の依頼に基づき不動産コンサルタントが当該不動産に係る時価の査定を請負うこと自体は特に問題ではないはずである(税理士の先生方は必ずしも「不動産」に明るい人ばかりではない、と聞いている。)。 

ただし、不動産の鑑定評価に関する法律の観点から言えば、同法第2条第1項に規定のある「不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示する」作業(いわゆる本来の時価を求めるものであり、デューデリジェンスを含む)を個別の不動産について不動産鑑定士の資格のない者が経済価値を「判定」し価格として表示すると、いくら評価という言葉を使わずとも、これもまた同法に抵触する可能性があることには留意を要する。

なお、これは宅建業者が業として価格査定を行っていることとは別の次元である。なぜなら、宅建業者はその結果を売主又は買主に査定額として提案はすれども、価格の「判定」を行なっていないからである。 

 

以上は私の個人的な見解によるものではない。

こういうグレーな問題がおきたら、行政法規であれば必ず所管する行政庁(当該ケースの場合、税理士法を所管する国税庁や鑑定評価法及び宅建業法を所管する国土交通省)に見解を確認することが必要である。 

なお、グレーな問題であるか否かを感じ取れるかはリーガルマインド(法的思考力)がしっかり身についているか、ということにも繋がる。リーガルマインドを養うためには、常日頃から自身が行なってる業務について様々な角度から問題提起をし、思考する癖を身につけることが必要であると思料する。

これは弁護士や司法書士などのいわゆる法律家と呼ばれる人に限ったことではない。我々コンサルタントや他の士業も必須なスキルである。 

日々目先の利益にとらわれず、常に法令遵守を心がけることは、自身の生活の糧を突然失うことを防げると同時に、ひいては提携士業やお客様のために貢献できるもの、と理解したい。

 

 

 

「再建築不可」物件を買おう

a0001_001201「再建築不可」物件とは、現在建っている建物を取り壊したり滅失してしまったら、もはや建物を建てることができない土地のことを言います。

 

どのような土地が再建築不可なのかと言えば、建築基準法第43条第1項本文の要件を満たしていない(接道間口の幅員が2m以下等)の土地が主にあげられます。

イメージとしては袋地や竿の部分が極端に狭い旗竿地を想像するとわかりやすいでしょう。

将来は、せいぜい資材置場か家庭菜園レベルの農地としての利用価値しかありません。

 

また、このような土地を購入する際や事業資金の調達のため銀行融資を希望しても、銀行の審査では敷地の民事上の権原(登記簿上の所有権など、その敷地を排他的に利用できる権利があるか否か)のみで接道要件を判断し、審査時点で建物が建てられるかどうか、再建築が可能かどうかを判断するため、担保不適格として扱われてしまうのが通常です。

 

将来建替えもできない、銀行融資も受けられない資産価値のない物件・・・確かに、そのような物件はいくら安くても皆さん買いたいと思わないですよね。

 

しかし、そこは思いきってキャッシュで買ってしまいましょう!

 

まず、再建築という観点だけで言えば、道路に面する土地の所有者から必要な接道までの幅員を確保できる最低限の敷地を建築確認申請の際、含めさせていただく了承(何らかの対価または賃貸借契約が必要になることがあります)が得られれば難なくクリアできます。

 

また、資産価値という面については、購入後、隣接地の所有者から接道要件を満たすだけの土地の所有権を一部譲っていただければ、二束三文の価格で購入した土地が一気に近隣相場で売却可能な資産となります。

 

ただし、そうかといって一般の方が(その期待を胸に)安易に購入することは大変危険です。

 

再建築できないことを十分に理解したうえで、今ある建物の寿命を延ばす、という目的で買いましょう。

それで上記のような例を満たすことができれば儲けもの、という気持ちでいることが必須です。

そもそも、上記の例を簡単に満たすことができないから「再建築不可」で売り出していることを忘れずに…

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行政処分は不意に訪れる

a0002_002271規制緩和の時代の流れをうけ、事前の審査のハードルがやや低くなったものの、事後の規制は強くなりつつあり、特に不動産業のうち、国土交通省関東地方整備局が行うマンション管理業の監督処分は近年頻繁に行われているようです。なかには見せしめか・・・と思うほど厳しい処分内容のものも見受けられます。

もともとマンション管理業は「登録」制度であり、建設業の「許可」や宅地建物取引業法における「免許」制度に比べ、緩い規制であると考えるのですが、それだけトラブルが多いのが現状であると言えるのかもしれません。

 

ちなみに行政の監督処分の目的は、財団法人不動産適正推進機構が監修する「わかりやすい宅地建物取引業法」から一部引用させていただくと、

①その許認可を受けた業者が法違反により処分を受けた事実を一般に知らせ、その業者の信用度に関する情報を提供して、注意を促すこと。

②業者が社会的制裁を加えられることを予告することをもって、法違反を未然に防止しようとすることにある。

ということのようです。

 

指示処分を受けると免許庁のホームページに最長5年掲載され、業務停止処分以上になると官報にも公表されてしまいます。こうなると、新規の受注はもちろん、既存のクライアントからも契約を打ち切られ、さらに金融機関との取引も停止される危険性があります。
まさに企業の存亡にかかる大ごとです。

 

なお、当事務所では行政の監督処分を受けた経験のある企業様にご協力をいただきインタビューを試みて、その時の情報を詳細に教えていただいたことがあります。

行政側から、「貴社に対する苦情のお問い合わせが来ているので立入検査を実施させていただきたい」との電話がまずあったそうです。

そして立入検査を受けた事業者の方は、行政の厳しい指摘及び処分の予告にまさかと思いつつも、すかさず釈明し、反省の意を十分に示したにも関わらず、最終的には聞く耳をもたずに監督処分を受けるに至ってしまった、まさしく青天の霹靂だった、と言っておりました。

 

基本的に立入検査や報告要求を行政が実施するには、業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときでなければ行うことはできませんが、必ずしも処分を前提とする必要はない定期巡回検査の際もそのような趣旨から違法行為が発見されれば事業者にとって常に予断を許さない状況にあると言えるでしょう。

 

ただし、監督処分の権限を持つ行政庁にはかなりの温度差があります。

平成13年から大臣免許や登録に関し、国土交通本省から権限の委任を受けた各地方整備局の間でも非常に処分に対する考え方にバラつきがあり、逆に民業圧迫という観点から不作為と思われるほど行政指導や監督処分を行わないところもあるようです。

当事務所の考えでは、各自治体においては地方分権という趣旨からそのような差が生まれても仕方がないと存じますが、国の場合は一つの公法人である以上、権限を地方整備局長に委任したからといって、監督処分の発令にバラつきがあってはいけないものだ、と感じています。

 

しかし、現実を否定しても始まりません。

最後は自分の身は自分で守る、ということが常日頃から必要になります。

当事務所では許認可を得ている企業様に対する指導として、その法令に熟知した専門の社員を少なくとも1名は置くべきだ、と申し上げております。

それでも一般の企業法務の経験者が業行政に関わる法規を勉強し、社内に周知させるにはかなりのハードルがあるでしょう。

 

そこで当事務所では、そのような企業様のために日ごろから業法に基づく法令監査を実施するサービスも行っております。今のところ宅地建物取引業法のみです。

 

対行政対策も社内のリスク管理上不可欠です。

立入検査の連絡が入ってからでは本当に遅いです。絶対軽視しないで今のうちから望んでください。

当事務所なら知り得た貴社のあらゆる情報を外部(行政機関を含む)に漏らすことはありません。

是非、安心してお問い合わせください。

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隣接地購入には住宅ローン

a1180_002948まず、「住宅ローン」とは何か。

簡単に言えば、自用の住宅及びその敷地を購入するための資金として利用できるローンです。

よって、更地のみの購入には利用できないことはみなさんも十分ご存知であるかと存じます(注文住宅を建てる目的で更地を購入する際は、つなぎ融資やハウスメーカーによる一括決済制度を利用できる場合があります)。

 

しかし、更地は更地でもそれが現在お住まいの自用の住宅及びその敷地の隣接地を購入する場合には、その規模、形状、利用目的等により現在の自用地の延長の範囲内と客観的に判断できれば、購入する隣接地並びに従来の自用の住宅及びその敷地と全て一括して担保に供することにより、一般の住宅ローンを利用できる可能性があります。

 

ただし、少なくとも融資の条件には以下が挙げられます。

 

一軒家が建ってしまう程の広さには至っていないこと(賃貸物件などを建てて投資目的に

  利用される可能性があるため)。

 

従来の敷地と建物の関係が違法ではないこと(図面を含む建築確認申請書一式または建築

  計画概要書が必要)。

 

原則として、従来の敷地と建物に先順位の担保権が付いていないこと(例え付いていても

  融資実行時までに抹消できるのであれば可)。

 

なお、隣接地を購入する人と従来の自用の建物及びその敷地の所有者が異なっていても、その関係が親族などの同居人であれば隣接地を購入する人の名義で住宅ローンが組める場合があります。

また、一軒家が建ってしまう程の広さの場合でも、金銭消費貸借契約条項や約款に違反しないことを確約できる確固たる利用目的・将来計画等を説明でき、かつ、本人の属性(職業や勤務先、年齢、収入)などに問題がなければ、融資窓口の担当者が保証会社を何とか説得して承認が得られるケースも中にはあるようです。

 

 ちなみに、住宅ローンは低利で融資が受けられる反面、何の事前相談もせずにその趣旨を逸脱した利用をすれば、一括返済を迫られてもノーとは言えません(時々黙って保証会社から委託を受けた調査員が現地調査をする可能性は十分考えられます)。

例として、返済が滞りそうな時に勝手に当該物件を賃貸したりすることは、金融機関との間において明らかな契約違反となります。そのような状況になりそうな場合には、まず融資を受けた金融機関と相談してください。

金融機関との約束を破ったら、それこそ人生を再度軌道に乗せることはかなり困難になるかもしれません・・・

定期借地権付きマンション

まず「定期借地権」とは、平成4年8月に施行された借地借家法に規定される借地権の一種ですが、通常の借地権と異なり、当初定められた契約期間(通常50年以上)で借地関係が終了したら、その後は更新ができません。契約期間が満了すれば、建物を取り壊し、更地にして地主に返却することになります。

 

にもかかわらず、定期借地権の上に建設されたマンションは意外にも人気が高く、即日完売してしまうケースもあるようです。

 

その理由は、好立地な場所にもかかわらず、販売価格は一般の所有権マンションに比べ8割程度の金額で買えるという魅力があり、さらに定年後に購入すれば、50年の契約期間でも十分終の棲家とすることができる、というメリットがあります。

 

しかし、当事務所の考えでは投資目的で購入する場合を除き、定期借地権付きマンションを自用のために購入することはあまりお勧めしません。

 

なぜなら以下のような欠点があるからです。

 

◆敷地の権原が所有権または普通借地権ではないことから、最終的に資産とはならない(50年の借家契約を結ばせられ、解約返金不可能な家賃を前払いしているようなもの)。

 

◆住宅ローンの選択の幅が格段に少なく、借り入れることができたとしても借入金額の制限や金利を高く設定される可能性がある。

 

◆土地の固定資産税・都市計画税を払わなくて済むものの、取り壊し積立金や地代が発生するため、ランニングコストが所有権マンションより高くつくことが考えられる。

 

◆固定資産税や消費者物価指数の変動により、3年ごとに地代を見直されることが多い。

 

◆買い手がなかなか見つからず、成約までに半年以上かかることもざらにある。

 

◆購入後、もの凄い勢いで価格が下がり、かなりの頭金を積むかキャッシュで購入したのでなければ、売却時に担保割れが必至である(立地条件によっては、それほど急激な価格の減少が見られない場合はある)。

 

◆相続時、子孫が処分に困ってしまうことがある。

 

 「なんだ、そのくらいのことなら他のサイトでも調べれば同じようなことが書かれていますよ。」

 

確かにそうかもしれません。しかし、上記より更に重要なことを記します。

 

 築30年を過ぎれば廃墟化する!

 

 少々極端かもしれません。でも、どうでしょう、なぜだかわかりますか?

 

もともと、50年すれば解体して土地を明け渡さなければなりません。そんな建物に定期的な大規模修繕や維持管理をし続けたいと思いますか?お金がもったいないですよね。

 

そうなると50年どころか逆に40年もしたら建物が腐ちてしまうことだってあり得るかもしれません。

 

 以上を十分熟知した上で、それでも構わないと思えば購入するのもよいでしょう。

 

 不動産会社もお客様の立場で考えてくださる営業マンも多くいますが、今その営業マンの方が売らなければならない物件について積極的に欠点は言わない、と思ってください。

 

営利企業である以上当然です。

 

よほど悪質でない限り、知らなかったを理由に不実告知として行政処分を求めることは不可能です。

 

 したがって、不動産の購入は、やはり客観的な情報や専門的見地から見解を提供できるプロのサポートが必要です。

 

ぜひ当事務所へご連絡ください。

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こんな人は新築より中古住宅

a0002_008102資金計画を立てて、住宅ローンのシュミレーションをして自分の身の丈にあう購入価格帯が見つかったら、あなたは新築住宅と中古住宅のどちらに興味がありますか?

 まずは新築住宅だったら、どのくらいの物件が買えるか気になるところでしょう。

 しかし、いくら住宅ローンの返済能力が現時点で十分にあったとしても、新築住宅をお勧めできない方がいます。

 

その代表例として諸費用を除いた頭金(手付金を含む)が、少なくとも物件価格の2割以上用意できない方

 

なぜだかわかりますか?

 たしかに、新築住宅は瑕疵担保責任やハウスメーカーのアフターサービス等が充実しており、とても安心な上、担保物件としての適格性も高いことから住宅ローンの選択の幅もあります。また、何より住まうには快適なため、販売価格に見合った恩恵を受けることは間違いないでしょう。

しかし、新築住宅の最大の欠点は、お客様が物件の引渡しを受けた瞬間に、たった今決済したばかりの売買代金のうち500万円から1,000万円位の価値がストーンと落ちるからです。

 

どうしてそのようなことが起きるのでしょう。

 新築マンションも含め新築住宅の販売価格には、営業利益はもちろん、広告宣伝費など販売に係るさまざまな経費が上乗せされています。このためお客様が引渡しを受けたとたんにこれらの価格は一瞬で消え去り、中古物件と同様の査定方法による市場流通価格となるのです。

 それはどういうことなのかイメージがわかない方もいらっしゃると思いますが、とりあえずそうゆうものなのかな、と理解してください。

 

そこで話を戻します。

頭金が2割以上用意ができない方が、仮に5年後にどうしてもこの不動産を売却しなければならない事態が起こったとします。

どういうことが起こるでしょうか?そうです、担保割れです。

売却価格よりローン残高が上回っているという状況です。

ローンを元利均等返済で組んでいる方は返済開始から数年間、ほとんど元金部分に返済が当てられず、多くは借入残高に対する利息の支払いに当てられています。

また、物件価格は地価が急上昇しているならともかく、営業利益や販売経費が含まれた購入時の価格を上回って売却できるということは今後考えにくいでしょう。

したがって、借金だけが残り、再度買換えるにはかなりのハードルを乗り越えなくてはなりません。

 

縁起でもない話で恐縮ですが、私が過去司法書士事務所に勤務していた頃、結婚と同時に新築マンションを夫婦の収入合算で手付金以外の頭金を用意できないにもかかわらず無理やり住宅ローンを組んで購入したカップルがいました。

しかし、数年で婚姻生活が破綻してしまい、やむなく売却せざるを得なくなった時、担保割れが生じてしまい、この元ご主人の悲痛な表情を目の当たりに見たのを覚えています。

 

不動産の購入はあらゆるリスクが伴います。

当事務所はお客様の個別性を十分把握したうえで、後悔のない不動産のお買い物ができるようサポートするサービスに力を入れています。

なお、一般の仲介会社のように不動産取引が終わったらご縁が無くなる、ということもなく、当事務所のサービスでご満足いただけましたら、以降も身近な相談相手としてご利用していただければ甚だ幸いです。

 

 

悪徳不動産屋騙しの手口例

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    こんな悪徳不動産屋に騙されるな!

 

特に団塊世代以上の方、またその世代以上の親御さんがいらっしゃる方は注意してください。

お年寄りを狙った不動産投資話があるようです。

 

先日、ある老夫婦の方が当事務所にお見えになりました。

「ある不動産屋さんから有難い話をいただきました。ぜひ前向きに検討して明日にでも買う方向で返事をしようかと思っています。

でも、大金ですし万が一ということも有り得るかと思い、念のためオタクの意見も伺いたい。本当に買っても大丈夫ですか?」とのこと。

 

以下、その不動産屋のセールストークを記します。

 

・○○様がお持ちの原野分譲地は永遠に買い手がつきません。このままですと、相続される子

 孫の方も永遠に固定資産税を払い続けなければなりません。

 →(確かにその通り。相続放棄をするか、公共事業の予定もない限り、無償でも市町村は譲

  り受けません。)

 

・これを弊社が破格の高値で買取ります。そのかわり、その金額で相殺し○百万円をプラスし

 ていただき、発展著しいリゾート地を買いませんか?超格安です。こんないい話はありませ

 んよ。

 →(そんないい話なら、わざわざこのお客様の原野分譲地を買ってあげることもないので

  は?)

 

・今なら○○様だけ特別にキープできますが、3日後までに契約締結をお願いいたします。ご

 契約いただける前提であれば現地までの往復の新幹線代はもちろん、すべての交通費と昼食

 代を無料にてご案内させていただきます。是非観光気分でいかがですか?

 →(なぜこのお客様だけ特別にキープなの?しかも、こんな大きなお買い物を即決させるな

  んて・・・現地案内後では取り返しのつかない事態になりそうだ。)

 

・とにかく公開すれば一瞬で売れてしまう土地です。数年後には転売利益が確実ですから。

 →(こんな時代、何の付加価値無しに寝かせておいてキャピタルゲインが望めるでしょう

  か?さらに「転売利益は確実です」なんて断定的判断を言うことは、宅地建物取引業法に

  違反し、さらに消費者契約法においても契約取消の対象になることですよ。)

 

・弊社は、免許番号のカッコ内の数字を見ていただければ一目瞭然、これで長年信頼されつづ

 けた会社であることがおわかりいただけると思います。

 →(免許のカッコ内の数字は免許の更新回数+1の数字が記載されており、ちまたではよく

  不動産会社の信頼の目安であるかのように言われておりますが、不動産業行政に携わって

  いた経験のある当事務所所代表から言わせてもらえば、まったく信頼とは関係ありません。

  行政から免許の更新を拒絶されることは欠格事由に該当しない限り、滅多にあるものでは

  なく、いくら更新回数が多くても、また、有名な会社であっても、うさん臭い会社は山ほど

  あるのが実態なのです。)

 

・かくゆう私は、古都の由緒あるお寺の子孫です。

 →(この発言、やはりペテン師の証拠!)

 

私が代わりにその業者へ電話しても同じことを言っており、こちらに喋らせるスキを与えません。

少し突っ込んだことを質問すれば逆ギレはするし、「不動産」に関してはド素人か、と思うほどの言動の連発に思わず鼻で笑ってしまうくらいでした。

 

しかもこの業者が言うには宅地造成済みとのことなので、その言葉を前提に当事務所が当該地が存する市町村へ固定資産税の算出方法をヒアリングし(自治体により計算方法が異なります)、そのとおり試算してみたら、今そのお客様がお支払いしている原野分譲地の10倍の税額になることがわかりました。そういうランニングコストも説明しないのです。

 

また、「発展著しい」と言いながら、当事務所がその市町村の人口推移を調べると、急速に減少傾向にあることも判明しました。

 

以上、このお客様に私見をお伝えしたところ、かなり参考になったご様子でした。

 

次の日、再度このお客様からご連絡をいただきました。当事務所の意見を参考に冷静になって考えた末、契約をお断りした、とのこと。

しかし、「お前らオレのメンツを潰したな、お前か息子が事故に遭って死ぬかもよ」との捨て台詞を吐いたようです。

 

怖いですね〜しかし私にご相談いただければ全く恐るに足りませんよ。

 

ちなみに、このくらいの内容のご相談に基づく簡単な調査を伴うアドバイスの場合、当事務所の報酬はご来所の場合ですと税込33,000円です。

あやうく数百万円をドブに捨てるハメになることを考えたら・・・この報酬高いでしょうか?

※この業者は後日調べて気が付いた2019年現在、既に東京都から(宅建業法違反ではありませんが、特定商取引法に基づき)行政処分を受け倒産していました。

古家付土地購入時の留意点

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注文住宅を建てる目的で、更地または古家付きの土地を購入する際の留意点




土地を購入し、引渡しを受けた年の1月1日現在に古家が存在しており、その年内に解体撤去して翌年1月1日を迎えた場合、翌年の土地の固定資産税の納税すべき額は前年の4倍から6倍に達します(ただし、自治体によっては特例措置が適用される場合あり)。

なぜなら、更地は事業用地としてみなされ、小規模住宅用地等の特例が受けられないからです。

このため、更地(古家が売買直前まであった土地)を購入したときは、購入した年内に建築工事を完成させましょう。

また、古家付きで購入した土地の場合は、年内に解体工事から建築工事の完成までを一気に行うことが無理であれば、古家を残したまま翌年に解体・建築を行うと良いでしょう。

したがって、土地の所有権の移転登記を受ける時期並びに建物解体撤去及び建築請負工事の着工の時期には十分留意してください。

ちなみに、建物が存在するかしないかは建物の表題部の登記がされていなくても、固定資産税を課税する都税事務所や市町村は把握できます。

固定資産評価員が街を巡回して観察していることはもちろんですが、1月1日前後に撮影した航空写真に基づき前年と見比べます。変化した部分は一目瞭然に浮き出る仕組みになっているようです。

これなら、解体撤去以外の増改築もすぐにわかってしまいますね。

不動産投資成功術

a1640_000328ここでは相続税対策のために自己の所有地にアパートを建てて賃貸経営をする、というのではなく、投資目的のために普通のサラリーマン等一般の方が現物不動産を購入し、それを他人に賃貸して高い利回りの収入を得るための最良の方法を考えてみたいと思います。

 

本来は、金融工学を勉強し、不動産が持つ固有の特性をしっかり理解することが成功への大前提なのでしょうが、普通の人がそんなことをしていては一生不動産投資などできません。

まず、以下の2点だけを最低限認識してください。

 

リスクと利回り(不動産投資価格に対しその不動産が生み出す年間の(純)収益の割合)は必ず表裏一体であることを理解する。

「利回り」は総収入だけを考慮したグロス利回り(粗利回り)ではなく、ネット利回り(総収入だけではなく総費用を控除した純収益から導き出すもの)で考える。

 

①については、端的に「ローリスク、ハイリターン」は無い、ということ。つまり、利回りが高い物件はそれなりに危険と隣り合わせ、ということです。うまくいけば利回りどおりの高い収益を得られる可能性がありますが、大失敗する危険性もあります。このことは不動産投資に限ったことではありません。さらにわかりやすく言えば、金融機関がカードローンの金利を設定する際に、個人事業者や転職したばかりの人には金利を高くしますね。これは、貸す側にとって返済能力の面では「リスクが高い人」と判断しているから金利を高く設定しているのです。何かあれば返済不能になりかねませんからね。

 

②については、年間の総賃料収入だけで判断せず、そこから管理費、修繕積立金、固定資産税等を差し引いた純収益が一体どのくらいかを意識して利回りを試算することです。一般の不動産広告などにはネット利回りではなく、グロス利回りが記載されており、また常に空室が発生しないことを前提にしていることがほとんどなので注意してください。

 

次に資金についてですが、最低現金500万円をご用意できますでしょうか?

ここからは私だけの考えのため、異論もあることと存じますが、不動産投資にはローンを組んではいけません。というより、ローンが組めない物件を選ぶ必要があります。

 

   ローンが組めない物件(訳あり物件) → 安く買える → 利回りが高い

 

「それはいざとなれば換金できないから怖いでしょ」・・・確かにそこがハイリスクですね。しかし、当面転売することを望まず、その不動産を保有し続け、その期間生み出す収益だけに着目するのです。

ただ、訳あり物件といっても、大雨になるとすぐに浸かってしまう、騒音が激しいなど、生活に支障のある物件や殺人事件、自殺のあった部屋など心理的嫌悪感がある物件は絶対に買ってはいけません。また、競売物件も蓋を開けるととんでもない物件があるので素人は絶対に手を出さない方がいいです。逆に、単に古い物件というだけでは今ひとつです。

一番お勧めは「再建築不可」物件です。かなり安いはずです。なお、どういう物件が再建築不可なのかの説明はここでは省略させていただきます。

 

通常賃借人は、住まいとしている不動産の財産的価値には興味はなく、住まうことそのものに対価を払っています。そのため、暮らしに不都合がなく、清潔感ある物件なら相場に近い賃料で客付けが可能です。

 

現に私がオブザーバーを務めているマンションは、東京の杉並区内で住みよい街並みのところにありますが、再建築不可のマンションのため、約24㎡の1DKが諸費用込み250万円で売買されたことがあります。

 

では、このマンションを事例にネット利回りを分かりやす計算例で試算してみましょう!

 

この諸費用込み250万円で取得した物件に200万円をかけてリノベーション工事を施します。これでトータル450万円です。

月額賃料は共益費込み7万円、年間収入は84万円です。ここで少し保守的に10%の空室率を見込んで8万4千円を差し引き75万6千円としてみます。

支出は管理費、修繕積立金、公租公課を合わせて年間24万円です。そして専有部分の修繕費等その他雑費として6万円をプラスして30万円とします。

 

ネット利回り = (純収益:75万6千円 - 30万円) ÷ 不動産価格:450万円

約10.1%

 

一般に都内で6%を超えるとかなり魅力的な投資物件と言えるようですので、このケースではかなりのものではないでしょうか?

分かりやすく言えば、僅か10年で投資元本が回収できる、という計算になります。

ただし、このような物件は一般になかなか情報が出回らず、不動産会社同士のネットワークにより、すぐに売れてしまう場合もあります。

 

当事務所では、このような規模の小さい投資物件のご購入についても相談を受け付けております。地域の特性を調査し、ターゲットにしたい賃借人の属性などを考えながら、投資に相応しい物件かどうかもアドバイスいたします。

 

空家、空室が多くなりつつある昨今です。一旦空くと、1年以上そのまま、という物件もざらにあります。その他「不動産」には固有のリスクがあります。正直他の金融投資に比べリスクが高いです。うかつに「頭金ゼロでマンション投資」だとか、また「レバレッジ」などという専門用語等に騙されないでください。

不動産投資は手持ちの余裕資金の範囲内で、かつ、プロのサポートも受けながら慎重に行いましょう。

あなたは持家派?賃借派?

a1180_003282「住まいなら当然持家でしょ!賃貸住宅に家賃を一生払い続けても、自分のものになるわけでもないし、極端だけどお金をドブに捨てるようなもの。だったら、住宅ローンを組んででも将来必ず自分の財産になる持家をもつ方がいいに決まっている・・・」

 

確かにおっしゃるとおりです。そのほか、

 

・「持家をもてば一人前」という社会的信用力が得られる。

・ローンの完済に向けて、人生の大きな目標・ハリが生まれる。

・住宅ローンが完済すれば、大きな達成感がを味わえ、その後の生活資金にもゆとりがでる。

・何か特別な事情がおきて住むところがなくなってしまうかもしれない、という漠然とした不安が取り除かれる。

・転勤になっても定期借家で他人に賃貸することもできる(その間の家賃収入でローンの返済の一部に当てることもできる)。

・いざとなれば売却して換金することもできる(ただし、売却代金がローン残高を上回る場合のみ)。

・子孫に財産として残してあげられる。

・事業者にとっては、自宅を担保に供することによって、金融機関から事業資金の融資も受けやすくなる。

・何といっても持家独特の安心感、満足感がある。

                     ・

                     ・

                     ・

ただし、改めて住まいを購入する前に再認識していただきたいことがあります。

 

住宅ローンという大きな荷物を背負うことになって、生き方の自由度が狭くなる可能性がある(攻めの生き方ではなく、自分の信念を押し殺してまでも守りの生き方を選択せざるを得ないことも有り得る)。

 

ライフステージや収入に合わせて柔軟に住み替えることが難しくなる(その都度、住まいを買い替えると、大きな出費を伴ってしまう)。

 

購入後、万一公害や自然災害が発生すると、資産としての価値が無くなり、売りたくても売れなくなる(住宅ローンを完済していない人は住まいを失い、ローンだけが残るという二重の被害に遭遇してしまう危険性もある・・・残念ながら日本の住宅ローンにはノンリコースローンが定着していない)。

 

そのほか、毎年固定資産税や都市計画税が発生する、定期的なメンテナンスが必要になる、分譲マンションの場合にはさらに管理費・修繕積立金が加わる等、細々としたデメリットは確かにあります。

また、知識人の一部には、生涯住まいに支払う金額は持家も賃借も意外と変わらない、頭金に相当する現金があるのなら金融資産を買って運用する方が賢明、などのご意見もあるようです。

 

しかし、誰が何を言おうとマイホームを持つことの良いところは一言「満足感」に尽きることでしょう!

 

そんな夢が安全に叶えられるよう、当事務所では仲介時にお客様の立場に立ったコンサルティングも行っています(コンサルティング報酬不要。仲介手数料のみ)。

 

なお、住宅購入はまだはっきりと決断できない、自分やうちの家族の場合だと長い目で見て持家か賃借かどちらがいいのだろう・・・という前段のお悩み相談も受け付けています。預貯金がどのくらいあるのか、今の仕事に満足しているか、勤め先の待遇、転勤の範囲や頻度、賃金推移の状況等をお伺いして、当事務所が客観的な意見をお伝えします。

 

「絶対に不動産を買いなさい」ということは間違っても言いませんので是非ご安心ください。

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不動産売買にかかる諸費用

a0002_011580住まいの売却や購入、買換え時には税金をはじめ、様々な諸経費がかかります。

このことを十分把握して、不動産取引に望みましょう。

 

以下、予想される最低限の項目を掲載しました。

 

不動産を売却される方;

境界確定(測量)費・・・更地や建付地を売却するときは、測量士または土地家屋調査士に依頼して隣接地の所有者と境界の位置や越境物の有無がないか等を確認してもらいます。場合によっては測量作業も伴うため、金額が仲介手数料を超えることもあります。

 

譲渡所得税及び住民税・・・サラリーマンで給与所得が源泉徴収されている方は、当該不動産を購入したときよりも高い金額で売れた場合(建物は減価償却分を考慮)に確定申告が必要となります。

 

印紙税・・・不動産売買契約書に貼り付ける印紙代です。

 

登録免許税・・・売却に際し、登記記録の情報と売却時点の登記名義人の住所または氏名に変更があれば、所有権登記名義人(住所または氏名)変更登記手続きが必要となり、当該税金を納める必要があります。また、売却に伴い、金融機関の抵当権等を抹消する場合も必要です。なお、登記名義人が既に亡き人の場合、相続人調査を行い相続登記まで完了していなければ不動産を売却できないことに留意してください。

 

司法書士報酬・・・上記の登記手続きを司法書士に依頼した場合には、司法書士の報酬が発生します。ただし、司法書士に依頼すれば難しい登記を自分で行う必要はなく、登録免許税も報酬請求時に併せて請求されるので、費用対効果を考えれば司法書士に依頼する方がよいでしょう。なお、通常は売買代金決済時に司法書士が買主への所有権移転登記と一緒に手続きを受託します。

 

不動産仲介手数料・・・不動産の売却を仲介業者に依頼したときに発生します。通常売却代金の3%前後を請求されます。ただし、400万円以上の物件の場合、3%+6万円+消費税を超える報酬は国土交通省の告示で禁止されているので、特別にお客様が頼んでいないにもかかわらず、広告料と称して前払いで請求してくる業者には絶対に依頼してはいけません(現在はこのような悪徳不動産屋は少なくなりましたが、ゼロではありません)。

 

不動産を購入される方;

不動産取得税・・・中古住宅を購入された場合には、概ね3ヶ月から半年以内に納付書が届くことが多いようです。税率は土地・建物とも固定資産評価額の3%が目安です(住宅以外に供する建物の場合は4%)。新築住宅の場合は、固定資産評価額の算出が終了してから税額の決定を行うので、中古住宅購入よりも遅く忘れた頃に納付書が届く可能性があります。また、評価額が定まっていない以上、納付すべき税額を予想することが困難であるため、当該税目にかかる予算は多めに考えておきましょう。

 

印紙税・・・不動産売買契約書に貼り付ける印紙代です。また、ローンを組む際には当該契約書にも必要となります。

 

登録免許税・・・土地の所有権移転、建物の所有権保存、ローンの借り入れにかかる抵当権設定等の登記にかかる税金です。

 

司法書士報酬・・・上記の登記依頼の際にかかる報酬です。住宅ローンを組む際には必ず司法書士に依頼しなければ銀行は融資に応じません(個人間売買を除き、お客様が司法書士を手配する必要はありません)。なお、司法書士の手数料は高いということをおっしゃる方がいますが、司法書士が実際に受け取る報酬自体は10万円前後であることが多く、登記費用の内訳は上記登録免許税に相当する金額が多くを占めます。

 

不動産仲介手数料・・・ハウスメーカーやディベロッパーなどから直接購入した場合を除き、多くの場合に発生する費用です。通常購入代金の3%前後を請求されます。ただし、400万円以上の物件の場合、3%+6万円+消費税を超える報酬は国土交通省の告示で禁止されているものの、ローン手続きの代行費用やコンサルティング料は別に請求される可能性があるため(これは違法ではありません)、必ず事前に仲介業者へ確認してください。

 

修繕積立基金・・・これは新築マンションを購入したときにかかる費用で、数十万から百万円位を一括払いする必要があります。

 

水道負担金等・・・新築一戸建ての場合、施設整備費用として支払わなければならないケースもあります。

 

ローン借入費用・・・融資手数料、火災保険料、地震保険料、団体信用生命保険料、保証料がかかります。ただし、金融機関によっては団体信用生命保険料や保証料は金利に含まれていることもあります。

 

固定資産税等清算金・・・これは法令で清算することを義務づけされているわけではありませんが、慣行として授受が根づいています。基準日については1月1日を採用するケースが多く(少なくとも関東)、日割計算で残代金決済時(引渡日)の前日までを売主が負担し、以降その年の12月31日までの分については買主が負担します。

 

その他、引越し費用や家具・家電の購入等の費用が発生します。

 

以上から、不動産売買時にかかる諸経費は物件価格等に大きく左右されますが、都内の住宅なら最低でも売買価格の7%以上は見積もっておいた方が良いでしょう。

 

不動産の取引には、このような様々な出費が伴います。また、現実に不動産を所有すると、継続的に固定資産税や都市計画税が発生し、さらにマンションの場合は管理費や修繕積立金、駐車場利用料などが住宅ローン以外にも月々固定費用がかかります。とても、家賃なみで不動産が買えるなど、安易に考えてはいけません。

 

その他にも、留意すべき点は数多く存在します。是非お気軽に当所へご相談ください。

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相続コーディネート

当事務所における「相続コーディネート」の定義は、お客様が複数の専門家や不動産会社等を行き来することなく、当事務所がお客様の代わりに各専門家等との調整を図りながら、納税対策を含めた最善の遺産分割案の提示を行うものであり、最終的に各種名義変更手続きも含めてワンストップで解決することを目標としています。

 

では、遺産分割をまとめるために、当事務所の分割案が合理的な解決方法であることが望まれることでしょう。

そのためには、依頼人以外の相続人等全員にも認めてもらえるような筋の通った分割案を提示し、遺産分割協議書に相続人全員の署名捺印をいただくことが一番の大きな山場だと思料します。

 

そこで、具体的に合理的な解決方法の一例として、相続財産に「不動産」が含まれる場合について考えてみます。

 

確かに、被相続人が亡くなった後、誰も住むことのなくなった不動産をを売却して現金化する(換価分割)なら、まだ相続人間で法定相続分の割合に基づき、配分するなどの方法によってコーディネートが必要ない場合も希にあるでしょう。

 

しかし、遺産である不動産そのもの、例えば土地を分筆するなどしてそれぞれ相続人が単独所有とするような分け方をしようとしたり(現物分割)、一部の相続人が当該不動産を全部もらう代わりに、他の相続人にはその代償として金銭を支払う場合(代償分割)などは、法的な知識以外に不動産評価理論にも十分精通していることが求められます。

なぜなら、その算定の基礎となる不動産の査定額によっては、各相続人が取得する土地の面積や取得の代償として他の相続人に金銭を払う場合の金額に多大な影響を及ぼすこととなるからです。

 

なお、遺産分割をする際の不動産の価格査定の方法は、相続税の納税額の算出を目的とした路線価に基づく評価額ではなく、土地について自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる正常な価格を求めるものを限りなく追及することが望まれます(売り手・買手の思惑により売り急ぎ・買い進み等の特殊事情において成立した異常値である価格を含んだ価格概念である「実勢価格」とは少し異なります。)。

ただし、この正常な価格の算出においては、査定する人によって千差万別となり、いくら不動産鑑定士に依頼したとしても不動産鑑定士ごとに評価額は異なります。

 

そこで当事務所では合理的な解決方法として、相続人同士が紛争までに発展しにくいスキームを開発しました。

単に不動産鑑定士に当該不動産の評価依頼を手配するのではありません。

当事務所自慢の合理的かつ画期的な解決方法です。

 

相続(遺産分割)コーディネートは、一筋縄にはいきません。

しかし、不動産が絡む相続案件について当事務所のスキームは、問題解決の大前提になることは間違いなく、他の相続コンサルタントやコーディネーター、士業ではあまり思いつかない方法であると存じます。

 

なお、ここまで申し上げてきたにも関わらず、当該スキームは企業秘密のため公表することができません。

もちろん、違法なことではありませんし、決して複雑なスキームでもございません。

そのような合理的かつ画期的な解決方法が当事務所にある、ということだけまずはご理解いただきたく存じます。

 

また、この解決方法は相続における遺産分割の問題に限らず、離婚における財産分与や借地借家における継続賃料、立退料、さらに借地契約における増改築承諾料等の利害相反についても適用が可能です。

 

ぜひ以上の問題に当てはまりそうなことがありましたら、紛争に発展する前に当事務所にご相談ください。

よく事情を伺った結果、事案解決に当該スキームが不可欠と判断した場合には、ご提案させていただきます。

 >>相続対策・遺産分割方法のご相談について

 

 

分譲マンションの長所と短所

不動産を選ぶ際、分譲マンションか一戸建てかで迷うことがあるでしょう。

以下、分譲マンションの長所と短所を列挙しました。

多くの場合に当てはまることと存じます。是非参考にしてください。

 

分譲マンションの長所

◆集合住宅の割に近隣とのお付き合いは、戸建て住宅ほど密ではない傾向がある。

◆新築マンションであれば、担保適格性というだけの面において融資を受けやすい。

◆専有部分を除く建物全体の維持・管理は自分でやらなくても良い。

(戸建て住宅は定期的に外壁・屋根の塗り替え、庭に生える雑草や擁壁の維持管理もしなければならない。)

◆鉄筋コンクリート造など、堅固な構造の建物が多く、耐震性が高い。

(ただし、耐震性については1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物に限る)

◆建物の寿命も長い。

 

分譲マンションの短所

◆毎月定額(数万円)の管理費及び修繕積立金を納める必要がある。

(住宅ローンを組む際の月々の返済額には少なくとも上記を考慮すること。)

◆駐車場の使用料も別途に支払うケースがほとんどである。

◆人気急上昇の地域ではない限り、資産としての価値は時の経過と共に減る一方である。

(土地は大勢の共有のため、建物が朽ちれば資産価値はほとんどない。しかも定期借地権なら尚更である。その点、戸建て住宅の土地所有権があれば、土地は不変性があるため、建物が朽ちても地価が上昇している時期なら、購入時よりも高くで売却することができる場合がある。)

◆上階でリフォームやリノベーション工事が行われたら、騒音や振動が長期に渡り凄まじい。

◆町内会とは別にマンション管理組合に所属することとなり、理事などの担当役員は輪番制を採用しているところもある。

◆マンション管理会社の選定や建物全体に関する問題は、自分だけではどうにもならない。

(マンション管理会社に対する行政への苦情申立ては、理事長が組合員の総意として「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に明らかに違反していることを証拠を持って出向かなければ、全く相手にされない。)

◆隣の専有部分を買い取っても、管理組合の総会で建物の区分所有等に関する法律または管理規約に基づく決議を得なければ、仮に構造上問題がなくても壁を取り払って一体利用することができない(土地付き戸建住宅なら、隣地を買い取って一体利用することは当然可能である。)。

◆専用庭が付いているマンションは少なく、庭いじりが好きな人には向かない。

(専用庭は別途使用料を求められる。)

◆建築基準法上の容積率緩和を受けて建築されたマンションは、いくら管理規約で専有部分の用途に制限がなくても、もっぱら住宅にしか使用できない場合もある。

◆楽器演奏や音楽鑑賞などの趣味がある人には向かない。

◆安いマンションだと、周囲の生活音や振動に悩まされることもある。

◆マンションの最上階の専有部分を購入すると、夏のエアコンの消費電力が大きい。

(直射日光の熱が天井に溜まるため。)

 

 以上、自身が思いつくままに記載してみました。

何故か短所が目立つ感じがしますが、マンションに限らずそれだけ不動産選びは短所も十分に知りつくし、慎重に決断する必要がある、ということです。

特に土地付き戸建て住宅の場合は、個別性が非常に強いため、一歩間違えると再建築することもできない土地であったり、融資も受けられないような資産価値のない訳あり物件をキャッシュで買わされてしまうこともあります。

 

当事務所は、消費者行政を経験したことがある唯一の不動産アドバイザーです。

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信頼される宅建業者とは

お客様や取引先に信頼され、末永く安定成長できる企業になるためには、法令遵守はもちろん、企業倫理を含めたコンプライアンス体制の構築が不可欠です。

特に宅建業者の場合、動かす金額が大きいため、より重要なことであることを十分に認識する必要があります。

 

万一お客様の心証を悪くしてしまった場合、民事上の問題では済まされず、行政法規である宅地建物取引業法上の違法を行政に通報されたら免許権者から処分を受ける可能性も考えられます。

 

まずは、宅地建物取引業法(以下、「法」という。)の完全遵守を目指して行きましょう。

下記のチェック項目はその代表的なものです(すべてを網羅していませんが、これらをしっかり遵守できていれば、行政の立入検査があっても大丈夫。)。

 

宅建業に従事する者のうち、5人に1人以上「専任」の宅地建物取引士を設置しているか(法31条の3)

 

誇大広告等の禁止(法32条)

 

広告の開始時期の制限(法33条)

 

自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限(法33条の2)

 

自己が契約の当事者となつて当該売買若しくは交換を成立させるか、代理人として当該売買、交換若しくは貸借を成立させるか、又は媒介して当該売買、交換若しくは貸借を成立させるかの別を広告やお客様に明示しているか(法34条)

 

媒介契約を締結したときは、遅滞なく書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しているか(法34条の2)

 

売却に係る専任媒介契約を締結したときは、すみやかに指定流通機構(通称「レインズ」)に物件登録をしているか(法34条の2、5項)

 

貴社の取引の相手方等に契約が成立する前までに、重要事項の説明及びその内容を記した書面の交付を行っているか(法35条)

 ※業界団体の定型書式を利用されることが望ましい

 

建築確認や開発許可の前に契約を締結する等、当該締結時期に違反していないか(法36条)

 

契約書の記載項目、交付状況に問題はないか(法37条)

 ※業界団体の定型書式を利用されることが望ましい

 

クーリングオフの遵守状況(法37条の2)

 

宅地建物取引業者がみずから売主となる宅地又は建物の売買契約において、損害賠償額の予定等の制限(法38条)、手附の額の制限等(法39条)、瑕疵担保責任についての特約の制限(法40条)に違反していないか

 

手付金等の保全(法41条)・受領(法41条の2)に問題はないか

 

不当な履行遅延の禁止規定(法44条)に抵触していないか

 

守秘義務(法45条)を遵守しているか

 

報酬額表(法46条)、業者票(法50条)を掲示し、また、その記載内容に問題はないか

 

故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為等、お客様への利益の保護に欠ける行為はしていないか(法47条、47条の2)

 

宅地建物取引士証(法35条4項)、従業者証明書(法48条)を携帯しているか

 

取引台帳を備え付け、取引の都度必要事項を記載しているか(法49条)

 

 

以上は、お客様にも目に付き、指摘される可能性がある最低限の項目です。その他、宅地建物取引業法の各条項、政令(施行令)、省令(施行規則)、告示、宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方、個人情報保護法、犯罪による収益の移転防止に関する法律、消費者契約法等の適用も受けます。

 

なお、当事務所では相談業務も行なっております。

顧問弁護士まではつけられないが、提携司法書士では登記に特化しすぎるので、不動産法務全般に詳しい身近な相談相手が欲しい、という場合には当事務所が最適です。

1回当たり税込6,600円、または月々税込33,000円の定額で顧問も承ります。

また、不動産物件調査(重要事項説明書作成)を毎月継続的にご依頼いただける不動産会社様につきましては、ご相談はいつでも無料です。

是非ご検討ください。

 

 

不動産会社の選び方

ここでは不動産の賃貸ではなく、不動産の新規購入や買換え時において不動産仲介会社の選ぶ際の一つの目安を記載しました。ただし、全国約12万余の不動産企業様が以下のとおり当てはまるというものではありません。あくまで参考です。

 

中規模・大手仲介会社のメリット

◆宅地建物取引業法はある程度遵守している。

◆重要事項説明書や契約書などもある程度しっかりしている。

◆接客マナーが良い。

◆遠方の物件も取り扱うことができる。

 

中規模・大手仲介会社のデメリット

◆お客様の売り物件を自社の顧客リストの方しか紹介しないことがある(売り物件のお客様と買受希望のお客様の両方から仲介手数料がいただけるため)。

 このため、売却に時間がかかったり、双方代理のようなことになるため売主又は買い希望のお客様の顔色を見ながら、いずれかの要望に左右されがちになる場合がある。

◆営業担当者の異動があるため、地域の歴史までも精通している人がほとんどいない。

◆不動産の調査を子会社等に依頼しているケースもあり、営業担当者によっては物件概要を即答できない場合がある。

◆営業ノルマを課せられているケースが多く、多少強引に契約を勧めてくる担当者もいる。

 

 

地元の小規模・零細仲介会社のメリット

◆地元に精通しているため、近隣の相場を熟知している。

◆業界の横の繋がりも大切にするため、売り物件については、自社内で囲い込みをせず、客付けを広く受け付けるところが多い。

◆地元の評判を意識しているため、接客マナーというよりも、気さくで親しみやすい雰囲気を持っている。

◆地歴にも詳しく、「あそこは昔、沼だったところを埋め立てた造成地だから辞めた方がいい」など、意外な情報を手に入れることができる。

 

地元の小規模・零細仲介会社のデメリット

◆宅地建物取引業法をはじめとする法令の遵守状況は大手に比べやや劣る。

◆契約書や重要事項説明書などの記述が貧弱である。

◆地域を熟知しているため、綿密に物件調査を行わない会社も存在する。

◆中には頼んでいないにもかかわらず、広告料などと称して事前に報酬を請求するような悪徳な不動産会社もある。

 

以上、いずれもメリットとデメリットがあります。

 

なお、ちまたでよく言われる免許番号の()内の数字は免許の更新回数と関係していることは確かですが、この数が大きいほど信頼できる不動産会社と決めつけてはいけません。

事実、免許の更新拒絶や取消処分まで発展することはほとんどなく、免許の更新回数が多くても年中行政指導や指示処分を受けている会社もあります(行政指導は公開されませんが、指示処分や業務停止処分等行政処分は免許庁のホームページ等で確認できます。)。

また、創業が古いにもかかわらず途中で個人事業者から法人成りしたり、知事免許から大臣免許に免許換えすれば、いやでも(1)から再スタートになります。

故に免許番号の()の数字は当てにならない、と思ってください。

 

重要な財産である不動産の取引には、行政書士であり不動産業界の指導・監督の経験がある当所のような専門家をご利用していただくことをご提案します。

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不動産の簡易査定

 

 

自分でやってみよう!不動産簡易査定

 

 

 相続税評価額ではなく、概ね実勢価格に近い算出です。例えば、不動産屋が出した売却査定が甘めではないか、を検証するには良い方法かもしれません。

 

ただし、

不動産の取引がある程度活発である地域内であること(過疎地や郊外では使えません)。

 

違法建築ではないこと(登記簿上の数量と建築確認申請書の数量がほぼ同じか)。

 

賃貸アパートや店舗ビルなど収益不動産ではない。

 

間口が極端に狭い土地や無道路地、農用地区域内の土地など、再建築ができない土地ではないこと。

 

概ね以上を満たせば、算出可能です。

 

では、具体的に価格査定方法を説明いたします。

 

土地の価格査定について・・・対象地近くにあり、かつ、同一の用途に供されている土地の公示価格又は基準地価格を対象地との比較を行なって査定価格を算出する路線価比較法を採用します。

計算式は以下のとおりです。

 

 土地の査定価格 = 公示又は基準地価格 × ※時点修正 × ※前面路線価比較 ×
           ※個別的要因(間口や奥行など)の比較 × 土地の面積

※時点修正は土地の価格が著しく急上昇している、またはその逆の場合を除き省略しても構いません。
※前面道路に相続税路線価が無い場合、固定資産税路線価を採用し(全国地価マップを参照)、それもなければ地域要因の比較を行います。
※地域要因及び個別的要因の比較については、原則として国土交通省土地・水資源局地価調査課が監修している「土地価格比凖表」を使用します。本屋さんで注文してください。

 

公示価格は、不動産鑑定士が現地を調査し、最新の取引事例やその土地からの収益の見通しなどを分析して評価を行い、国土交通省の土地鑑定委員会が最終的に精査をして決定しているため、非常に客観性に優れた取引価格の指標です。また、基準地価格もそれに準じています。

このため、取引する人によっていろいろな事情や動機に基づき形成された取引事例価格を誤って選択することもなく、かつ査定する人の恣意を極力排除することができます。

 

建物(区分所有建物の専有部分を含む)の価格査定について・・・一般的に建物の価格査定は、建物の構造別(木造や鉄骨造など)建築費の㎡単価に延床面積及び減価修正率を乗じて算定することが多いのですが、建物自体はかなり個別性が強いため、固定資産税評価額を採用することをお勧めします。

 

固定資産税評価額は、原則として建物新築時に評価員が建物の中まで立入り、構造はもちろん材質など細かく評点を付けて算出しており、ある程度建物の個別性が反映されていると言えます。

また、固定資産税評価額は新築時の売買又は請負価格の半額から8割程度と言われていますが、営業利益や販売経費などが含まれていないことを勘案すると、時価として採用するには妥当な場合も多々あるのです。

逆に欠点としては、マンションの場合、階層別・位置別の効用比が当該評価に反映されておりません。また、耐用年数が過ぎた建物であっても評価額がゼロになることがなく、現存している限り2割程度の残存価格が維持されます(木造の建物は築20年を過ぎたら市場価格は概ね「ゼロ」となります)。

よって、この欠点部分については、唯一観察による主観で行ってください(㎡当たりのポイントについては「土地価格比凖表」を参考のこと)。

 

最後に「市場調整」について説明します。

市場調整とは、土地及び建物の合計金額では需要が少なく売却に時間がかかると判断した場合、査定する人の主観によって概ね70%から100%の範囲で、合計金額に乗じるものです。

しかし、近隣の平均規模より極端に大きい場合以外、市場調整は必要ありません。市場調整に相当する部分については、土地の場合個別的要因の比較に際し、「土地価格比凖表」に基づき十分斟酌するとともに、建物については、解体することが誰が見ても最有効と考えられる場合、解体撤去に要する費用(概ね相場がはっきりしている)を土地価格から控除すれば済むと思料します。

したがって、市場調整率を定めることもないこととなり、より恣意性を排除できます。

 

以上が客観的指標を中心に自分で行える不動産の価格査定です。

あくまで参考としてご利用ください。

免許番号で信用度がわかる!?

001【当サイトに酷似した内容を掲載している業者が多くいます。下記コンテンツは当行政書士法人の代表者のような宅建業を所管したことがある元行政職員か、十数年以上宅建業免許を専門に行っていた行政書士以外は容易に知りえない内容です。ここに記載した内容に酷似したものをインターネット上でサイトに掲載することは著作権違反となります〔一部表現は似せないつもりで書いたようですが、所詮法律知識のない素人(ライター)が真似たようで、解釈が法的に間違っているところがあります(下記④参照)〕。思い当たる方(業者)は必ず削除してください。】

ちまたでは、不動産会社の信用度の目安として宅地建物取引業免許証番号の()内の数字をとても気にされる方がいらっしゃいます。

そのような方は口をそろえて「東京都知事(1)第○○○○○号」と記載している業者は経験が浅くて信用できない、とおっしゃいます。

ではそもそも免許証番号の()はいったい何を表しているのでしょうか?

たしかに新規で免許を受けたばかりの業者は必ず(1)となります。

以降、5年が経過するごとに免許が更新されると一つずつ番号が増えていきます。

開業6年目の場合は(2)、11年目の場合は(3)という感じです。

 

しかし、この番号=不動産業務歴ではない、という事実をお伝えします。

 

①ある不動産会社は開業19年目で免許証番号は東京都知事(4)だったとします。

この会社は誠実な顧客対応が評判を呼び、都内だけでは足らず、ついに埼玉県にも営業所を置くことになりました。

そうすると、この会社は東京都知事免許から国土交通大臣免許に切り替わります。

国土交通大臣免許になるとどうなるか…せっかく(4)まで数字が上がっていたのに(1)に戻ってしまいます。

 

もう一つ例を上げます。

②個人事業者として宅建業の免許を受け、創業30年の不動産屋があります。

堅実な経営を続けた結果、免許証番号はいつしか東京都知事(7)になっていました。

しかし、事業承継の絡みもあり法人化したら、免許証番号は何と(1)から再スタートとなってしまいました。

不動産業務歴30年にも関わらず、東京都知事(1)

 

まだ例をあげます。

③先ほど埼玉県に営業所を新設した会社が、その営業所設置後6年目にしてやはり都内だけでやっていこうということになりました。

そうすると、不動産業務歴25年の会社にもかかわらず、東京都知事(1)となってしまうのです。

(以前の東京都知事免許(4)を引き継ぐことはできないのです。)

 

では最後の例。

④免許証番号が東京都知事(9)の会社の株主兼代表者が、事情により他人にその会社を売却しました。

ちなみに、当該会社の購入者は個人の方で不動産業務歴ゼロです。

この会社の購入者は免許権者に役員変更届出のみを行った結果、振出に戻ることなくそのまま東京都知事(9)を引き継げてしまいました。

宅建業の免許を承継したくてその保有会社と合併したり又は事業譲渡を受けても、存続する会社は身売りした会社の免許証番号を引き継ぐことはできません!
↑ このことを「免許を持っている会社と合併すれば(又は事業を譲受すれば)免許を引き継げる…」かのような、間違った情報を記載しているサイトがあります!

 

以上で免許証番号の()内の数字=不動産業務歴ではない、ということがお分かりいただけたかと思います。

 

「会社」というものは常に変遷するので、上記の例はけっして例外ではありません。

したがって、免許番号()内の数字=信用度という考えもあてにならないことになります。

このようなガセネタがあるおかげで、むしろ免許証番号の数字が多い業者の方が「やりたい放題」やっているところもあるくらいです。

悪徳業者は淘汰されていくはずだ、という期待は禁物です。

指示処分や業務停止処分はよくありますが、免許取消処分なんてそう簡単に起るものではないのです。

免許が取り消されない限り、免許証番号は増え続けます。

 

消費者のみなさま、十分ご注意ください。