不動産調査日記 第4回~埼玉・伊奈町編~

本日の物件調査先ですが、大宮から「埼玉新都市交通ニューシャトル」というモノレールみたいな乗り物で行く珍しい場所です。

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上越新幹線沿いを走ります。そして揺られること20分くらいでしょうか。

「伊奈中央」という駅に到着です。

そこで、改札にいる女性の駅員さんに「自転車を借りたいんですけど…」と申し伝え、保証金500円を払うとこんな自転車を貸してくれました。

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いつも思うのですが、レンタサイクルはとてもカッコ悪くて恥ずかしい…

おそらく盗まれないようにわざとカッコ悪くしているのでしょうね。

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まずは伊奈町役場で調査開始。まだ、朝8:40なので調査はスイスイです。

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都市計画課…用途地域、景観法、開発登録簿、道路種別、換地図の写し

土木課…道路台帳平面図、道路査定図の徴求、道路番号・認定幅員の照会

生活安全課…浸水履歴、ハザードマップ

生涯学習課…埋蔵文化財包蔵地の確認

総務課・住民課…住所表記の確認

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次に町役場から自転車で5分の上下水道庁舎にやってまりました。

ここでは、上下水道の埋設管図のほか、下水道法上の特定施設の有無、対象物件の下水道使用状況、雨水の処理方法などをヒアリングします。

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現地ではこのような高圧線が近くを通っていました。

こんな場合、みなさんならどうしますか?

「本物件●●側約●●m の上空に●●●●所有の送電線が通過しております。気象条件によっては、騒音・電波障害等が生じる可能性がありますので、あらかじめご承知おきください。」

重要事項説明書にこのような記述でまさかオシマイではないでしょうね。

私なら、鉄塔にあるプレートを見つけ出してそこに連絡し、電圧と建築規制の有無を確認します。また、特段建築規制がない距離だとしても離隔距離の確認も行います。

ちなみに離隔距離ですが、電線の揺れ幅も考慮する必要があるそうです。

例えば、離隔距離が3.6mだとしても強風時はもっと広がる可能性がありますから、そこを含めて建築規制に影響する距離を送電線管理者に確認を取る必要があるのです。

本物件は幸いにも送電線が鉄塔近くにあるため、揺れ幅はそれほど大きくなく問題なし、という回答をいただきました。

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さて、次は伊奈町を離れて建築確認記載事項証明書をもらいに越谷建築安全センター杉戸駐在に行きます。

特定行政庁(建築主事がいる自治体)以外はこのように一か所で役所調査が終わらないのが本当に難点…。

杉戸は東武動物公園駅が最寄なので伊奈町から本当に遠くて大変です。

そこで、時間はお昼近く。そういえば、法務局調査がまだなので、途中駅の久喜にある法務局へ行くことに。

法務局での 登記簿等の公開に関する事務(乙号事務)は現在、民間業者が受託しており、お昼の時間帯でもやっています。

時間の有効活用のため、今日の昼食は電車の待ち時間にこのサンドイッチをかぶりつくことでガマン、ガマン(大宮駅構内で買いました)。

昼食時間を普通に取るヒマがないことは多々あります。

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久喜駅から徒歩で30分くらいでしょうか。

やっと法務局に到着です。ちょっと時間がかかりすぎました。

戻りはバスがあることを職員さんからご案内いただいたおかげで、わずか10分で久喜駅に戻ることができました。

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そしてやっと、東武動物公園駅に到着。ここからはやむなくタクシーで杉戸駐在へ。

他の建築安全センターより早く書類を交付していただいて助かりました。

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今日の最後は永田町にある国立国会図書館で地歴調査。

伊奈町の図書館は休館日だったため、こんなところまで来るはめに(東武動物公園から約1時間半)。

しかもここでの調査・作業は約2時間近くかかります。国会図書館では時間に余裕が必要です(平日複写は18:00までの受付です)。

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今日も朝の6:40に出発し、調査終了時刻は18:00。

すっかり暗くなっていました。

それにしても不動産売買における重要事項説明書の作成に必要な物件調査作業はいかに大変なのがお分かりいただけますか?

不動産鑑定や金融機関の担保調査とは比べ物にならないほど、日中の余裕はありません。

わずか一取引に係る一件の調査に「朝早くから開始して今日もなんとか一日で間に合った…」というのがいつもの感想なのです。

東京都23区外の非特定行政庁なんて、都内にもかかわらず車で走りまくっても一日で調査が終わらないことが多々あるくらいです。

 

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