不動産を選ぶ際、分譲マンションか一戸建てかで迷うことがあるでしょう。
以下、分譲マンションの長所と短所を列挙しました。
多くの場合に当てはまることと存じます。是非参考にしてください。
分譲マンションの長所;
◆集合住宅の割に近隣とのお付き合いは、戸建て住宅ほど密ではない傾向がある。
◆新築マンションであれば、担保適格性というだけの面において融資を受けやすい。
◆専有部分を除く建物全体の維持・管理は自分でやらなくても良い。
(戸建て住宅は定期的に外壁・屋根の塗り替え、庭に生える雑草や擁壁の維持管理もしなければならない。)
◆鉄筋コンクリート造など、堅固な構造の建物が多く、耐震性が高い。
(ただし、耐震性については1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物に限る)
◆建物の寿命も長い。
分譲マンションの短所;
◆毎月定額(数万円)の管理費及び修繕積立金を納める必要がある。
(住宅ローンを組む際の月々の返済額には少なくとも上記を考慮すること。)
◆駐車場の使用料も別途に支払うケースがほとんどである。
◆人気急上昇の地域ではない限り、資産としての価値は時の経過と共に減る一方である。
(土地は大勢の共有のため、建物が朽ちれば資産価値はほとんどない。しかも定期借地権なら尚更である。その点、戸建て住宅の土地所有権があれば、土地は不変性があるため、建物が朽ちても地価が上昇している時期なら、購入時よりも高くで売却することができる場合がある。)
◆上階でリフォームやリノベーション工事が行われたら、騒音や振動が長期に渡り凄まじい。
◆町内会とは別にマンション管理組合に所属することとなり、理事などの担当役員は輪番制を採用しているところもある。
◆マンション管理会社の選定や建物全体に関する問題は、自分だけではどうにもならない。
(マンション管理会社に対する行政への苦情申立ては、理事長が組合員の総意として「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」に明らかに違反していることを証拠を持って出向かなければ、全く相手にされない。)
◆隣の専有部分を買い取っても、管理組合の総会で建物の区分所有等に関する法律または管理規約に基づく決議を得なければ、仮に構造上問題がなくても壁を取り払って一体利用することができない(土地付き戸建住宅なら、隣地を買い取って一体利用することは当然可能である。)。
◆専用庭が付いているマンションは少なく、庭いじりが好きな人には向かない。
(専用庭は別途使用料を求められる。)
◆建築基準法上の容積率緩和を受けて建築されたマンションは、いくら管理規約で専有部分の用途に制限がなくても、もっぱら住宅にしか使用できない場合もある。
◆楽器演奏や音楽鑑賞などの趣味がある人には向かない。
◆安いマンションだと、周囲の生活音や振動に悩まされることもある。
◆マンションの最上階の専有部分を購入すると、夏のエアコンの消費電力が大きい。
(直射日光の熱が天井に溜まるため。)
以上、自身が思いつくままに記載してみました。
何故か短所が目立つ感じがしますが、マンションに限らずそれだけ不動産選びは短所も十分に知りつくし、慎重に決断する必要がある、ということです。
特に土地付き戸建て住宅の場合は、個別性が非常に強いため、一歩間違えると再建築することもできない土地であったり、融資も受けられないような資産価値のない訳あり物件をキャッシュで買わされてしまうこともあります。
当事務所は、消費者行政を経験したことがある唯一の不動産アドバイザーです。