人の厚意に甘えるのもほどほどに…

ダウンロード電車で(からだが不自由な自分に)他人が席をゆずってくれた、(幼子連れて)横断歩道をゆっくり渡る私を自動車が停止して待ってくれた、などは(感謝を口や態度にして)それに甘んじることは双方がハッピー!

 

でも、他人の厚意に気持ちよく甘んじて受けることが常に良いかというとそうでもありません。

特にビジネスの場では、「試されている」と思った方が良いでしょう。

 

「このたびは(たまたま凄く儲かったので)私に20万円はご請求ください!」

通常、あなたにとって10万円程度の仕事なのに、相手からこんなこと言われたとき…

あなたはどうしますか?

 

「そうですか、ありがとうございます!では、20万円いただきますね。」

そんな(子供のような)気持ちでビジネスしていたら、早ければ次回からあなたはこのお客様からのご依頼はない、と思ってください!

「なんで!?相手方からのご厚意をポジティブに受け止め感謝の言葉を伝えられれば、双方がハッピーじゃん」

⇒ バカじゃん!!

 

相手方からすると、「報酬基準が明確でない」「仕事に対するポリシーがない」「信用できない」「厚かましい」と思われることが大いにあります。

これは、真剣にこれからビジネスパートナーとしてあなたが相応しい相手であるか、試されていることもあるのです!

 

だから、(喉から手が出る気持ちをぐっとこらえて)そのご厚意の言葉だけに感謝してしのぎましょう。

私は相手からのご厚意に対し、その「0~5割掛け」を甘んじる基準としています。

「0」というのは全く相手方からの厚意に甘えないこともある、ということ。

 

ちなみに、「(知り合いのお友達ということで長期間の反復継続の相談に)別に…無料でいいですよ」「このくらいの作業は(大変な作業であっても)今回は特別にいらないです」「(相手が請求額を言い出せない立場の場合は多めに)このくらいをお支払いしましょうか」などと私もよく言ってしまいますが、正直これは本心ではありません。

相手から「それでは申し訳ないから(このくらいでも)受け取ってください」とか「それはいただくには多いから(それより低めの)このくらいでいいですよ」という言葉をちょっと期待して(あなたの様子を見て)いるところがある場合もあるのです。

それは私だけではなく、他人もそういう「期待感」をもって接している可能性があることを(※自身にも置き換えて)考えてみると良いかもしれません。

※あなた自身は他人に振舞うときにそんなネチッこいことを考えない人であったとしても…です。

 

そうやって、お互いが譲歩し合うことによって、(この人なら)相手を思いやる気持ちが持てる人だ、と思われたとき、信頼できる強い絆のビジネスパートナーが誕生するのです。

あなたがケチケチして値切り倒したり、たまたまの厚意に全力で甘んじるようなら、まだまだ素敵なビジネスパートナー(あるいは得意客)との縁は程遠く、自分と同レベルの意識を持った相手を相手に、ストレスフルな毎日が続くことでしょう。

「親しき中にも礼儀あり」という言葉がありますね。

世の中の過半数の人たちが言葉じりだけで相手につい(満額)甘えてしまう人たちとすれば、あなたはその逆に少数側に立てられればあなたの会社は10年後も存続する可能性が高まります(会社の10年生存率1割…と言われています)。

他人の厚意にまんま甘んじるのも、目先の利益に負けることになります。個人事業者や会社経営者は広告宣伝だけでなく、(それがきっかけで)出会った人には一期一会に終わらせないために些細なことに気を使う必要がある、ということをぜひおわかりいただきたいですね。

仮に「今回は100%甘んじたな」と思えば、次回は「厚意倍返し」するくらい頑張りましょう!

起業家の心得カテゴリーの記事