遺言書作成の意義・注意点

遺言書の作成は多額の相続税を納めるような資産家だけが行うもの、と考えてはいませんか?

いえいえ、財産の多寡は全く関係がなく、すべての人に必要なことと言っても過言ではありません。

 

少なくとも以下のいずれか一つでも該当すれば、遺言書を作成すべきです。

 

 全財産のうち、預貯金より不動産や未公開株など分割しにくいものが高い割合を占める。

 

子たちの仲が際立って良いとはいえない(既に仲が悪いなら当然要)。

 

子たちに経済格差がある。

 

内縁関係の妻(夫)がいる。

 

子が一人もいない。

 

第三者に財産を譲りたい。

 

事業を経営している。

 

賃貸住宅や店舗ビルなど収益不動産を所有している。

 

結婚前から子がいる。

 

数人の子のうち、一部の子だけに世話になっている。

 

子の全員に分け隔てなく接していない。

 

不動産の登記名義は、先代等既に亡き人の名義のままになっている。

 

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確かに自分も遺言書を作成しておく必要はわかったが、現在は本屋に行けば「遺言書作成キット」なども売られているし、専門家に頼るほどでもないのでは…

 

せっかく遺言書を残したつもりでも、様式や内容の具体性に欠けていては、期待どおりの効力は得られません。

 

相続財産となるものに不動産がある場合は、権利証や名寄帳などを基に財産を特定し、登記記録を取得するなどをして正確な財産の表記が必要です。

また、登記記録に記載されない借地権等の権利がある場合、契約書の条項について綿密な把握が必要です。

遺留分を侵害するようなケースの場合には慎重に行わなければなりません。

 

遺言書の残しておく最大の目的は、遺言者の遺志が尊重されることはもちろん、遺族が仲良く幸せに暮らせるようにするためです!


しかし、そのような基本的な目的を意識せず、依頼人の言うとおりの原稿しか作成しない専門家も残念ながら存在します。

そのような原稿では、公正証書にしても意味がありません(公証人は原案について原則アドバイスは行いません)。

その結果、相続時に相続人同士が紛争になるケースも多々あるのが現状です。これでは何のための遺言書がわかりません。

 

以上のとおり、遺言書を作成するには、あらゆる視点が必要になります。

まずは、当事務所以外の行政書士・司法書士等にご相談ください。

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