悪徳不動産屋騙しの手口例

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    こんな悪徳不動産屋に騙されるな!

 

特に団塊世代以上の方、またその世代以上の親御さんがいらっしゃる方は注意してください。

お年寄りを狙った不動産投資話があるようです。

 

先日、ある老夫婦の方が当事務所にお見えになりました。

「ある不動産屋さんから有難い話をいただきました。ぜひ前向きに検討して明日にでも買う方向で返事をしようかと思っています。

でも、大金ですし万が一ということも有り得るかと思い、念のためオタクの意見も伺いたい。本当に買っても大丈夫ですか?」とのこと。

 

以下、その不動産屋のセールストークを記します。

 

・○○様がお持ちの原野分譲地は永遠に買い手がつきません。このままですと、相続される子

 孫の方も永遠に固定資産税を払い続けなければなりません。

 →(確かにその通り。相続放棄をするか、公共事業の予定もない限り、無償でも市町村は譲

  り受けません。)

 

・これを弊社が破格の高値で買取ります。そのかわり、その金額で相殺し○百万円をプラスし

 ていただき、発展著しいリゾート地を買いませんか?超格安です。こんないい話はありませ

 んよ。

 →(そんないい話なら、わざわざこのお客様の原野分譲地を買ってあげることもないので

  は?)

 

・今なら○○様だけ特別にキープできますが、3日後までに契約締結をお願いいたします。ご

 契約いただける前提であれば現地までの往復の新幹線代はもちろん、すべての交通費と昼食

 代を無料にてご案内させていただきます。是非観光気分でいかがですか?

 →(なぜこのお客様だけ特別にキープなの?しかも、こんな大きなお買い物を即決させるな

  んて・・・現地案内後では取り返しのつかない事態になりそうだ。)

 

・とにかく公開すれば一瞬で売れてしまう土地です。数年後には転売利益が確実ですから。

 →(こんな時代、何の付加価値無しに寝かせておいてキャピタルゲインが望めるでしょう

  か?さらに「転売利益は確実です」なんて断定的判断を言うことは、宅地建物取引業法に

  違反し、さらに消費者契約法においても契約取消の対象になることですよ。)

 

・弊社は、免許番号のカッコ内の数字を見ていただければ一目瞭然、これで長年信頼されつづ

 けた会社であることがおわかりいただけると思います。

 →(免許のカッコ内の数字は免許の更新回数+1の数字が記載されており、ちまたではよく

  不動産会社の信頼の目安であるかのように言われておりますが、不動産業行政に携わって

  いた経験のある当事務所所代表から言わせてもらえば、まったく信頼とは関係ありません。

  行政から免許の更新を拒絶されることは欠格事由に該当しない限り、滅多にあるものでは

  なく、いくら更新回数が多くても、また、有名な会社であっても、うさん臭い会社は山ほど

  あるのが実態なのです。)

 

・かくゆう私は、古都の由緒あるお寺の子孫です。

 →(この発言、やはりペテン師の証拠!)

 

私が代わりにその業者へ電話しても同じことを言っており、こちらに喋らせるスキを与えません。

少し突っ込んだことを質問すれば逆ギレはするし、「不動産」に関してはド素人か、と思うほどの言動の連発に思わず鼻で笑ってしまうくらいでした。

 

しかもこの業者が言うには宅地造成済みとのことなので、その言葉を前提に当事務所が当該地が存する市町村へ固定資産税の算出方法をヒアリングし(自治体により計算方法が異なります)、そのとおり試算してみたら、今そのお客様がお支払いしている原野分譲地の10倍の税額になることがわかりました。そういうランニングコストも説明しないのです。

 

また、「発展著しい」と言いながら、当事務所がその市町村の人口推移を調べると、急速に減少傾向にあることも判明しました。

 

以上、このお客様に私見をお伝えしたところ、かなり参考になったご様子でした。

 

次の日、再度このお客様からご連絡をいただきました。当事務所の意見を参考に冷静になって考えた末、契約をお断りした、とのこと。

しかし、「お前らオレのメンツを潰したな、お前か息子が事故に遭って死ぬかもよ」との捨て台詞を吐いたようです。

 

怖いですね〜しかし私にご相談いただければ全く恐るに足りませんよ。

 

ちなみに、このくらいの内容のご相談に基づく簡単な調査を伴うアドバイスの場合、当事務所の報酬はご来所の場合ですと税込33,000円です。

あやうく数百万円をドブに捨てるハメになることを考えたら・・・この報酬高いでしょうか?

※この業者は後日調べて気が付いた2019年現在、既に東京都から(宅建業法違反ではありませんが、特定商取引法に基づき)行政処分を受け倒産していました。

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