あまり、こういう「出来上がってしまった人間」みたいなことは言いたくないのですが、最近は若い方々を中心に標記タイトルのようなご質問を受けることが増えてきました。
そこで、まだまだ発展途上で凡人極まりない私の考え・経験値で恐縮ですが、あくまで一つの参考になるなら、と思い下記に綴ってみたいと思います。
将来、独立したいと思う人。
そんな人が描くのは、大企業の社長だったりしませんか?
大企業の社長と言えば、小さいことは気にせず、大局的な決断ができるスケールの大きい人をイメージするでしょう。
しかし、大企業の社長の多くはサラリーマン。出世の延長線上です。
他人資本であり、最悪不祥事を起こしてしまっても辞任さえすれば自腹を切る必要なんてないのです。
よって、あなたが目指すのはオーナー社長だと思うのです。
ではオーナー社長とは何か。
あなたが独立するなら、多くの場合自らが苦労してお金を貯めて私財を叩き、または自己を(連帯)債務者とする融資を受けて起業すると思います。
会社とあなたは一心同体、会社の健全な存続・発展=あなたの人生そのもの、これがオーナー社長です。
だとすれば、少なくともこんな人が向いているのではないでしょうか。
①クライアントからのクレームに誰よりもビクビクしてしまう人。
②正義感・ポリシーが強く、上司に媚びることができないサラリーマン界では不器用な人。
③役所のような杓子定規な対応が苦手な人。
逆を言えば、下記の人は独立に向かないのでそんな夢を見るのは止めましょう。
①クレーム対応ごときは何とも思わない。
②出世のためなら倫理度外視で強い者(上司)に媚びることも苦とは感じず、むしろ処世術と割り切っている。
③遵法意識が極めて強く、他人にも厳しい人。
つまり、相手の顔色を見て臨機応変に対応することができるが(①③)、決してお調子者(②)ではないことが必須なのです。
あなたがクライアントの立場になって考えてみましょう。
①のように、取引相手からの意見・クレームを平気で聞き逃してしてしまう人にあなたは発注したいですか?
③のように、お堅くて融通が利かない人にあなたは継続的な取引を求めますか?
また、②のように正義感・ポリシーがないなら、せっかくの商品やサービスの良さは相手に伝わることがないでしょう。
能力・技術は劣位下等、自身の能力向上へ向けての危機感はなく、悪しきクライアントに「便利屋」として位置づけられ、良くても悪い意味で仕事に追われることに。利益率は極めて低く従業者も根付かず、ブラック企業まっしぐらです。
よって、遵法意識はあってもポリシーなく強い者には異議を言えない輩はサラリーマンでのみしか成功できないのです。
以上を読んでいただいた方。
意外と自分は独立に向いているのではないか、と感じていただいた人も多いのではないでしょうか。
一言でいえば「信念を持つデリケートな人」。
よく「メンタルが強い人」が自営に向いている、という人がいるようですが、メンタルにはいろいろありますのでそこはあまり気にしなくても大丈夫。
ちなみに私は「人に使われ続ける」「理不尽にガマンする」という意味ではメンタルが非常に弱く、忍耐力は限りなくゼロでしたが、今現在は多忙ではあるものの別に趣味などしなくとも、サラリーマン時代には味わったことのない「精神的・経済的に解放された充実した日々」を(今のところは)実現することができています。