宅建業の免許取得をこれから目指す方、または、無事免許を受けられこれから希望に満ち溢れいている方。
私の経験則上、その約6~7割以上の方が実務経験を経て開業を決断されているようです。
そこで、開業するに当たりあなたは今までどれだけの不動産取引でヒヤッとした経験、そしてトラブルに遭遇してきましたか?
この多寡とそれを乗り越えてきた経験値であなたの5年後がある程度予測できます。
『そもそも、クレーマーは相手にしないのでそこまでいったことありません。』
『そんなにトラブルなんて普通あります?』
まあ、おそらくその程度の知識や感受性レベルで開業されたなら、5年以内に「廃業」する可能性は高いと思います。
人の生活に密着した「不動産」、特にその仲介をメインとするならば、トラブルの経験値が少ない、またはそれを強く意識したことがない、という人は恐らく「使命」がない、とも言えます。
普通にアンテナ張って業務に従事していれば、どれだけ怖い思いをすることか、これほどデリケートな仕事はありませんよ。
「重要事項説明書・売買契約書の作成なんてひな形を埋めるだけでしょ。」なんて思っている業者、本当に多くて呆れます。
法律に基づく免許(がんじがらめの規制)を受けて初めて仕事ができる業種であることの意味をそもそもわかっていないのです。
何かあれば、民事賠償請求はもちろん、行政処分を受けて ⇒ 廃業、というストーリーも想像できない残念な人も多いのもこの業界の特徴。
自身自ら開業されたのなら、これからはトラブルがあればすべて自分で責任を負わなければなりません。
「雇われ身」では無事であっても、そう簡単には不動産仲介ビジネスはうまく行かないものです。
『開業したけど、特に今のところ何にも問題ない。重説・契約書は相手の仲介業者に作成してもらっているからリスクなし。』
⇒相手仲介業者が作成した書類で間違えていたら共同責任なのわかりますか?
それでも開業後3年以内に何のトラブルもない(感じていない)なら、あなたに宅建業者としての「使命」はなく、その結果、「試練」を与えてもらえないのだ、と思ってください!
つまり、5年以内に(宅建業の免許更新申請を経ることなく)廃業なのです。
※むしろ、実務経験がなくても、「餅は餅屋」という発想で当事務所のような専門家に頼るところはしっかり頼って、謙虚な姿勢でいる人なら下手な実務経験者よりはるかに成功していますね。
では、これを防ぐにはどうするか?
⇒顧客のあらゆる「サイン」を見落とさず、コミュニケーション能力と感受性を高めることはもちろん、普段から猛烈に勉強すること。
宅建業を開業することに学歴など一切関係ないと言うものの、
勉強熱心な人でないと務まらない職業なのです。
司法書士や行政書士、その他官庁の申請代行を業とする資格業における通常のルーチンワークより本当に難易度高い業務なんですよ。
だからこそ、そのスキを狙い宅建業界に殴り込みをかけるインテリ連中が多くなっているこの業界。
超高学歴、語学堪能、外国人起業家、AI駆使できる技術者など…
こんな人たち相手にあなたは10年後勝ち続けている自分の姿を想像できますでしょうか?
この仕事でトラブルを最小限にしっかり食い繋いでいきたいのなら(他の業種もそうでしょうが)生涯に渡り猛勉強するつもりで頑張りましょう!。