不動産業ネット広告の法規制

不動産業界において悪質だとされている広告の代表例に「おとり広告」があります。

 

Yahoo!不動産によるとその定義は、

「不動産を探している客を自社店舗へ誘導するために、実際には取引できない物件の広告を出すこと。架空の物件をでっち上げる場合と、物件は存在していても売主に取引の意思がなかったり、取引の対象とは成り得ない物件を出す場合がある。広告を見て問い合わせたり来店しても、営業担当者が該当する物件の詳しい情報を出さず、「もう売れた」などといって別の物件に振り向けられる。

不動産公正取引協議会の表示規約で禁止。」と明記されています。

 

たしかに、上記のような広告は典型的な「おとり広告」と言え、悪質極まりないものです(また、成約済みのものをいつまでもネット上などに掲載続けることは、例え故意がなくとも「おとり広告」に該当します。)。

 

しかし、新手な不当誘致が最近都心を中心に発生しております。

 

それが「仲介手数料無料」という言葉です!

 

もちろん、取扱物件すべてが仲介手数料無料、またはWEB広告の中で明らかに仲介手数料無料物件であることが他と判然区別できるなら問題ありません。

 

しかし、このような文句を筆頭にWEB広告を出している不動産業者の多くは、全物件が「仲介手数料が無料」ではなく、むしろ無料にできる物件の方がはるかに少ないのではないでしょうか?

 

なお、このような不当誘致は単に業界の自主規制である公正競争規約に違反する、というだけではなく、不当景品類及び不当表示防止法という法律に違反することに繋がります。

 

不当景品類及び不当表示防止法に違反したとして措置命令や罰則の適用を受けると、さらに宅地建物取引業法第65条第1項第3号(他法令違反)で行政処分が待っており、負の連鎖が続きます。

 

最近、公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会では「仲介手数料無料」と謳っているネット広告を注視し始めているようなので、思いあたる企業は表現を少し変えてみるなど工夫しながら、所属する公取協にも是非相談してみてください。

 

ちなみに、意外に目立たないと思われがちな「仲介手数料定額」については、不当誘致はもちろん、宅地建物取引業法第46条第2項にも抵触する危険性があります。

 

なぜなら、報酬の上限額については「定額」ではなく、同法第3項に基づく国土交通省の告示による計算(「定率」に近い)方法によって規制されているからです。

 

例えば、「仲介手数料定額21万円」と表記してしまった場合はどうでしょうか?

 

一見良心的な報酬のように感じてしまうでしょうが、売買代金400万円で成約した物件の仲介手数料上限額は4,000,000円×3%+60,000円+消費税=189,000円となっているため、この場合は逆に法律を定める報酬の上限額を超えていることになります。

 

広告は公然と行う以上、一般消費者とのトラブルがなくとも違法であることの証拠は掴まれやすく、命令や行政処分に発展することが多いので不動産業者の方は十分注意してください。

 

一般消費者の方も良心的な不動産会社を選別するための一つの目安として上記をぜひご参考にしてみてはいかがでしょうか・・・広告を見てもその会社の法令遵守度がわかるのです!

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