【専任の宅地建物取引士】「専任」とは

a0001_013664宅建業の新規免許を受けるに当たっては事務所の形態等いくつかの要件を満たす必要がありますが、中でも宅建有資格者の手配で多くの事業者は苦慮されているようです。

しかも、宅地建物取引士の資格さえあれば誰でもいいわけではありません。

宅地建物取引業法第31条の3第1項では「…事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。」と定められているのです。

 

そこで、「専任」について調べてみましょう。

宅地建物取引業法、政令、省令においてこの用語の定義はありませんが、これら解釈の基準として国土交通省では「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」を設けており、そこに「専任」について規定があります。

第31条の3第1項関係

「専任の宅地建物取引士」の専任性について
「専任」とは、原則として、宅地建物取引業を営む事務所に常勤(宅地建物取引業者の通常の勤務時間を勤務することをいう。)して、専ら宅地建物取引業に従事する状態をいう。ただし、当該事務所が宅地建物取引業以外の業種を兼業している場合等で、当該事務所において一時的に宅地建物取引業の業務が行われていない間に他の業種に係る業務に従事することは差し支えないものとする。
また、宅地建物取引業の事務所が建築士事務所、建設業の営業所等を兼ね、当該事務所における宅地建物取引士が建築士法、建設業法等の法令により専任を要する業務に従事しようとする場合及び個人の宅地建物取引業者が宅地建物取引士となっている宅地建物取引業の事務所において、当該個人が同一の場所において土地家屋調査士、行政書士等の業務をあわせて行おうとする場合等については、他の業種の業務量等を斟酌のうえ専任と認められるものを除き、専任の宅地建物取引士とは認められないものとする。

 

要するに、専任の宅地建物取引士としての要件を満たすためには、

常勤できる宅地建物取引士(取引士証の交付を受けている者)であることが必要となります。

よって、こういうことが言えるでしょう。

・正社員 〇

・パートタイマー、アルバイト ×

・派遣社員 △(フルタイム勤務を条件とする契約の場合のみ可)

・業務委託社員(フルコミ) ×

・他の会社の代表者 ×

・他の会社の従業者 ×

・他の会社の常勤役員 ×

・他の会社の非常勤社員 〇

・朝刊のみ出勤前に配るだけの新聞配達員 〇

・夜スナックでバイト 〇

・自営業者 △(行政書士等士業者含む)

 

なお、免許の申請をご依頼される社長から「私は他社の専任の取引士を兼ねており、申請会社では常勤性を満たす代表者とはいえないため別な専任の取引士と政令使用人を手配しているからよろしく頼む。」といわれたケースがいくつもあります。

たしかに代表者が常勤できない場合は政令使用人を選任しなければなりませんが、そもそも専任の取引士は上記に列記したとおり、他の法人等の代表者と兼務できません。専任登載している他の会社からみれば、「他の会社」の代表者を専任として使っている、ということになるからです(ここは少し理解するのに難しい話をしています。一読で理解できない方は下記の文章を含め3回以上は熟読してください。)。

 

この場合、申請会社の社長は他の会社の専任の取引士を降りることはもちろん、自身の宅地建物取引士の登録においてもその勤務先を抹消しなければ、いくら別に専任を立てても宅建業の免許申請は受理してもらえません。場合によっては、他の会社の専任でありながら(自分が設立した)会社の代表者となった時点で他社の専任の取引士の要件を満たさなくなっているので、他社はその間専任不在として業を行っていたとしてその期間が長期であれば行政処分を受ける可能性さえあります。

自分の会社の免許申請で他社を潰すようなことがないよう、くれぐれもご注意ください。